萌えとはの記事一覧

「萌え」の広がりについて

そして、既に多くのオタクは「萌え」というフレーズを解体して多義的な用い方を好むようになっている。キャラクターに限らず、身近な異性や同性の「ちょっとした可愛い言動」に対しても「萌え」と言うし、パソコンや車といった非生物や、概念にすら「萌える」ことも少なくない。
「萌え」とは「愛」というプリミティブな感情をただ別の言葉で言い換えただけだ、という考え方もありうるだろう。
更に言えば、「激しく心が動く」ほどでなくとも、軽い気持ちで(「好き」よりもライトな感覚で)発言されるケースも多い。
なお、2004年から一斉にマスコミが「萌え」を取り上げたのは、美少女イラストつき英単語帳『もえたん』のヒットや、ニッポン放送のラジオ番組『東京キャラクターショーRADIO』にて、DJをつとめた声優の田中理恵とアナウンサーの吉田尚記が、夜な夜な「萌え~」と連呼していたことも影響していると思われる。「萌え」と関連して語られるキーワードとして、電車男、メイドさん、メイド喫茶、ツンデレ、キボンヌなどが挙げられる。

「萌える」気分について

元々同人系のオタクが使い始めた「萌え」は、その起源と関係なく、徐々にではあるが広く一般的に(他のジャンルのオタクやオタク的な感性を持つ者または「オタク」と呼ぶほどでもない愛好者・ファンの間でも)使われ出す。柔らかく温かい響きが、人々に好意を持って受け入れられている理由なのだろう。ここでは、主にオタクが萌えを使うときの、部外者には分かりづらい点について、補足しておく。
重要なのは、この萌えが、彼らがキャラクターに対する愛情を表明したりして盛り上がりたい、といった彼ら独特で共通の気分を簡単に説明できたがゆえに、特定のファン以外のアニメファンの間でも急速に広まり、萌えが彼らの共通言語となったことだ。
その後、語源の一つといわれるキャラクターが含まれる「美少女戦士セーラームーン」のヒットの原因が「萌え」を促進させる構造にあると分析した庵野秀明による「新世紀エヴァンゲリオン」のブレイク(商業的成功)によって「萌えビジネス」が確立。後に「To Heart」など、萌えを決定付けさせる作品が乱立する。その結果、もともと「パソ通」などの限定的な空間で使用されていた「萌え」が、インターネットの普及にともない、アニメファンの活動が個人ファンサイトやBBSなどでも行われるようになり、結果、予期しない多くの人たちの目に触れられるようになるにつれて、漫画やアニメやゲームのキャラクターや声優などの「オタク専門趣味」

各定義(一般的用法から核心的用法までを無差別に列挙)

コンテンツ上のキャラクター(漫画・アニメ・ゲームなどの登場人物やアイドルなど)への抽象的愛情表現。それらに恋心、またはそれに非常に近い感情を抱く様子。対象は人物そのもののみならず、特徴や仕草、または状況に対して、またはその全てであったりもする。
「好き」や「可愛い」よりニュアンスの強い表現。
女の子の決して近づくことのできない聖域に対する強い愛情や欲望を表す言葉。
女の子の何かに対する「かわいらしくてうれしい」感情。
オタク向けコンテンツのキャラクターに対する愛情表現(自嘲や揶揄を含む)。
特定のパーツ(眼鏡、ツリ目、ネコミミ、メイド服など。いわゆる萌え属性、萌え要素)を備えたキャラクターに対する偏愛や強い愛着を抱く様子。(例:眼鏡っ子萌え)
ある特定の傾向の性格(これも萌え属性に含まれる)を持つキャラクターに対する偏愛や強い愛着を抱く様子。(例:ツンデレ萌え,委員長萌え)
主に幼女や美少女などといった、かわいらしいもの、いじらしいものを目にしたとき、脊髄反射のような感覚で起こる、生理的で原始的な感覚。魅了され、激しく心が動くこと。
大人の女を相手にできない男が、言うこと聞いてくれそうな美少女に対して使う腐った愛情表現。(堂高しげる説)
それだけでは普通一般には好きとも嫌いとも判断できかねる(ほどに些細な)事項に対し、好意を覚えること、またその感情。
単に「自分はこれが好き」というこだわりや思い入れ、没入感を示すための強調語として使われることもある。その対象は、それこそ好き勝手に個人の嗜好で選ばれるため、これといった類型は無い。
「脳内恋愛」の言い換え。この場合の「萌える」とは、「脳内恋愛を妄想する」ことを意味する。

萌えの用法

「萌え」自体は名詞、もしくは形容動詞の語幹として活用する。

前述したように「萌え萌え」という擬態語、「萌え!」「萌え~!」という感嘆詞としての用法がある他、接頭辞(「萌え属性」など)や接尾辞(「妹萌え」など)としても用いられる。

動詞としての「萌える」は、一人称にも他人称にも付けることが可能なので、「私は○○に萌える」「あなたは(私から見て)萌える」「彼女は(私から見て)萌える」などと多種多様に表現することができるが、日本語の常として主語は省略されがちである。

なお、本来「萌え」は「草木が芽ぐむこと」を指す言葉である。

一般書や雑誌、同人誌における黎明期の用例の収集。

2001年3月16日初版発行のコミック、ぢたま某『気分気分』(第2巻)の第8話のタイトルが「らぶこめ気分もえもえ気分」

語源について

1990年頃から、ある特定の(名前に「萌」の文字が含まれている)アニメキャラクターや声優などのファンの間で使われていたとされる。その発信元が誰のファンからなのかは諸説紛々ある。

NHKのアニメ「恐竜惑星」(1993年~)のヒロイン「萌」説
「美少女戦士セーラームーン」(1992年~)の「土萠ほたる」説
声優の「長崎萠」(1995年~)説
石はしる垂水の上の早蕨の萌えいずる春になりにけるかも(万葉集/志貴皇子)(785年~)説
実際には「燃える」のミスタイプ説、駄洒落説が有力であり、上記の三例は成立過程のひとつに過ぎないとみなす識者も多い。

「萌え」、と語幹で切って名詞化されているのは、「萌える」という動詞としてだけでなく、「萌え萌え」という反復語(擬態語に近い)や「萌え~!」という感嘆詞(これは上記の「萌」という名前のヒロインを叫んだものでもある)として用いられることが多かったため。こういった擬態語や感嘆詞としての表現は、「燃える」の方が先行していたことに注意(パソコン通信の過去ログなどで「燃え燃え」や「燃え~!」といった会話が発見できる)。

そもそも「燃える」という表現自体が、キャラクターへの愛情を自然現象に喩えたメタファーだったわけだが(「心温まる」という隠喩表現があるように)、「芽生える」という意味の「萌える」の方が、より適切なメタファーとして機能したため、現在の普遍性を獲得しえたのだと思われる。

萌えのはてなからの引用

オタク特有のスラング。
2004年、流行語大賞ノミネート。2005年は「萌え~」として流行語大賞トップテン入り。

一般に「架空のキャラクターに対する愛情」として理解されることが多い。が、マスコミ的にはオタク全般に対するイメージと合わさり、歪んだ伝搬をされることもしばしばである。なぜか萌え=メイドさん、のニュアンスが付加されるなど。

萎え

萎え(なえ)は「萌え」の対義語として使用される語。
意図的に「萌え」を煽ろうとする露骨な演出・行動などに対して嫌悪感を抱くようになる場合
キャラクターの性格や言動、態度などによって気分を害され、そのキャラに対して嫌悪感を抱くようになる場合
「萌え」を前面に押し出した作品であるにも関わらず、その対象となるキャラにまつわる描写・作画といった表現が破綻しているなど、鑑賞に堪え得ない状態
これらの状態に対して、「萌え」に該当する感情が湧かず、興醒めしてしまうという意味で、インターネット上などで用いられる。しかし殊更に「萌え」と対置する使用例はそれほど多くなく、対義語としての解釈は人によって変化するだろうと言える。
また、一部には「萌え」の対義語として、同音異義語「燃え」を位置づける論者もいるが、この場合は「好意的感情(萌え)」から来るものか、「闘争心(燃え)」から来るものかの違いで、対象(となるもの)が併せ持つ性格が正反対となるケースが大半を占めており、両方とも「ある種の興奮を誘う」という意味合いで使用されている点では共通しているため、この場合対義語というよりは、むしろ類似した言語に近いと言える。

「萌え」の社会現象化

2002年に萌える法律読本こと「コンピュータユーザのための著作権&法律ガイド」が刊行されており、これ以降出版界において萌え本という形で萌えの露出が拡大してゆく。
2004年、「電車男」がヒットしアキバ系文化が注目を集める。2004年には「メイド・コスプレ」「アキバ系」「萌え」「電車男」がユーキャン流行語大賞にノミネートされ、2005年にはユーキャン流行語大賞の上位10作品に選ばれた。この時期から、先述の「メイド」や「電車男」などに代表されるアキバ系文化の代名詞として広く認識されるようになる。
TBSテレビ系『王様のブランチ』「萌え特集」や 読売新聞夕刊・毎月最終金曜日掲載「OTAKUニッポン」など、テレビ・新聞等でも紹介されている。
社団法人コンピュータエンターテイメント協会(CESA)は2006年4月24日、一般消費者を対象とした「2006年CESA一般生活者調査報告書」を発刊した。「萌え」の認知度・利用状況については、全国の3~79歳の1103人を対象とし、萌えに関する調査を行った。CESAにおける萌え定義は「マンガ・アニメ・ゲームの登場人物(キャラクター)などに愛情を抱くこと」とされる。この定義で認知度を測ってみたところ男女性別平均の認知度は男性548人中66.4%、女性555人中65.6%であった。「よく知っていて自分でも使っている」と答えたのは男性の場合20~24歳の8.9%、女性の場合15~19歳の12.1%が最高であった。
経済的価値への注目
浜銀総合研究所(横浜銀行グループ)の調査によると、2003年度のコミック・ゲーム・映像などの「萌え」関連商品の市場規模は888億円に達した。また、地域おこしのPRとしても利用されるようになったケースもある。しかし、「萌え市場はあくまでもオタク向け。オタクが増えない限り成長はなく、数年で数倍、という伸び方はしない。10人に1人がオタクになる時代は来ないだろう」という否定的分析もあり、萌え市場がこれ以上は成長しないとされている。

「萌え」の成立・普及

「萌え」の起源に関する主要な説は概ね1980年代末~1990年代初頭頃に集約されることから、成立時期はこの前後と推測されているが、「萌え」の現代的用法の成立・普及については様々な説や主張があり、その起源や成立の過程は特定には至っていない。
これは、「萌え」が大筋では当時のネット(パソコン通信)上のコミュニティ、またはそれらと構成人員の多くが共通する周辺コミュニティで発生したものと推察される用語・用法であることから、「成立から流行に至る過程」や「“萌え”という単語の意味・概念」について客観的な根拠や物証、統一された見解を呈示することが困難であり、また、それらが拡散することで世間に認知され普及するに至った状況を分離せず、多数の論者が「個人的に支持する作品やコミュニティにまつわる説」を起源や語源などとして主張してきたため、結果的に多数の説が乱立することになり、この混乱をより複雑かつ面倒なものとしている事も確かである。
出版物の形で発表された著名な起源説としては、オタク評論家の岡田斗司夫が自らの著書において正史として紹介した、NHK教育テレビ番組『天才てれびくん』の枠内で放映されたSFアニメ作品『恐竜惑星』のヒロイン「萌」を語源に求める説(論拠とする「設定上のフルネーム」とされるキャラクター名、及びその起源とした「実在の作家のペンネーム」の双方ともに誤りであり、該当番組のプロデューサー自身が指摘・反論している)と、精神科医の斎藤環が紹介した、漫画・アニメ『美少女戦士セーラームーン』のキャラクター「土萠(ともえ)ほたる」を語源とする説(該当作品の発表年月を検証すると、前説「恐竜惑星」の後に公開された作品のため、この「恐竜惑星」説を退けることができない)の二説が多く語られるところである。しかし、これら著名な二説も、個人的な経験などの独自調査に論拠を求め、結論を論者の個人的な憶測(個人的に支持する作品?)へと誘導するという印象操作の枠から出るものではなく、前述のようにそれぞれの説(主張)に対する指摘や反論も相次いでいる。
なお、「恐竜惑星」起源節については、当該作品の制作サイドの中心人物の一人であった金子隆一が自著において、当該作品の発表以前に既に「萌え」概念は存在しており、岡田によるこの説は事実ではないと主張している

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